カラー塗装の方法(ボディ)
塗装は湿度の低い天気の良い日に行いましょう。
雨の日や風の強い日などに行うと失敗の原因になってしまいます。
ボカシ剤
カラーペイントをスプレーする直前に、広い範囲にボカシ剤をスプレーしておくことでカラーペイントの白っぽいザラザラの発生を効果的に抑えることができます。
缶をよく振ってからスプレー。大量にスプレーしすぎると液ダレの原因になりますので薄く均一にスプレーします。
スプレー缶を振る
塗料をじゅうぶん混ぜるため、カシャカシャ音を立てながらよく振ります。
メタリック、パール・マイカカラーは特に念入りに。
カラーペイント
ボカシ剤が乾かないうちにカラーペイントをスプレーします。ゆっくり平行に移動させながら数回に分けて塗り重ねていきましょう。一度に厚塗りは厳禁です。
マスキングした部分などにスプレーを吹いて、塗料の出方や色をあらかじめ確認しておきましょう。
ホワイトパール系やイエロー、レッドなど明るいカラーについては、特性上隠ぺい力が低いため、塗り重ね回数が多くなります。
スプレーする毎に缶を振ることを忘れずに。
選べるスプレーパターン
「ボデーペン」はスプレーボタンの先端のノズルを回転させることで、タテ楕円とヨコ楕円のパターンが選べ、その各々にワイドとスポットの切り替えができます。
動かす方向に合わせて(ノズルを回す)
面積に合わせて(ボタンの押し具合)
- 塗装面とノズルの距離の目安
- ワイドで20〜30cm / スポットで15〜25cm
部分塗装する場合
パネルの一部のみを塗装する場合は、吹き始めと吹き終わりはスプレーを補修箇所から離し、周辺部をぼかして仕上げます。
吹き始めと吹き終わりは
スプレーを補修箇所から離してぼかす
ブロック塗装する場合
パネル全体をブロック塗装する場合は距離を一定にとり、3分の2ずつ重ね塗りながら全体を仕上げます。
クリアーペイント(メタリック、パール・マイカ塗装の場合)
カラーペイント塗装が全て完了したら、2~5分後、カラーペイントより広い範囲にクリアースプレーしていきます。3回から5回塗り重ねていき、光沢感のあるクリアー塗装に仕上げていきましょう。
ボカシ剤
スプレー塗装した外周部分の白っぽくザラザラした部分にまんべんなく濡れたように見えるまでボカシ剤をスプレーします。
ボカシ剤の使い方
- ボカシ剤を使うタイミング
- カラーペイント塗装の直前
- ソリッドカラー塗装後の1〜2分以内
- クリアー塗装後の1〜2分以内(メタリック・パールマイカカラーの場合)
※ボカシ剤は乾きにくいので1カ所に大量にスプレーすると液ダレします。注意して下さい。
ボカシ剤を使うと、カラーペイントやクリアーをスプレーした後のスプレーダスト(=ザラザラした外周部)を溶かして平滑にし、ツヤを出す効果があります。それによりもとの塗装との色の差が目立ちにくくなります。
クルマのボディには、ただ単にカラー塗料が塗られているわけではなく、
目的に応じた各種塗料が塗り重ねられています。
ソリッドカラー塗装
白、赤、青、黒など、単一の色目のカラーによる塗装
新車の塗装構成
- 上塗り
上塗りベースカラー
- 中塗り
中塗り塗料(サーフェサー)
- 下塗り
電着下地塗装(プライマー)
鋼板
補修塗装の場合
- 上塗り
ボデーペン(ソリッドカラー)
- 下塗り
ボデーペン プラサフ
鋼板
補修塗装の際に
クリアーは不要
メタリック、パール・マイカ塗装
アルミ片や雲母(マイカ)粒子を含むカラーの上に、透明なクリアーを施した塗装
補修塗装の際に
クリアーが必要
- 中塗り塗料(サーフェサー)
- 中塗り塗料(サーフェサー)とは下塗り塗装の上に塗り、塗装に厚みを持たせ平滑な塗面を作るためのもの。下塗りと上塗り両方に対して、密着性に優れた塗料が使われています。
- 電着下地塗料(プライマー)
- 電着下地塗料(プライマー)とは鉄板に塗装し、腐食やサビを防ぎ、中塗り塗料の付着性を向上させるもの。鉄板(ボディ)をまるごとこの塗料に沈めて電気メッキする方法が採られています。